ワードサラダとは？例文やSEOへの影響、リスクについても解説

ンテンツマーケティングを行う上で、ワードサラダという言葉を耳にしたことはありますか。ワードサラダとは、一見すると文法的には正しく見えるものの、内容的には意味不明な文章のことを指します。

本記事では、ワードサラダの定義や仕組み、具体的な例文を交えながら、過去のSEO対策で用いられた背景と、現在ではNGとされる理由について詳しく解説します。最後に、ワードサラダに頼らないユーザーファーストのコンテンツ作成方法もお伝えします。

ワードサラダとは？

ワードサラダの定義と特徴について分かりやすく説明します。「ワードサラダ」という言葉は、「Word Salad」つまり「言葉のサラダ」が語源で、もともとは統合失調症患者の言語障害を表す言葉でした。

SEOの業界では、ツールやプログラムを使って自動生成された、キーワードを無理に詰め込んだ意味不明な文章を指すようになりました。ワードサラダの特徴は、文法的には一応正しいものの、前後の文脈がつながっておらず、内容を読んでも意味が理解できない点にあります。

ワードサラダの仕組み

次に、ワードサラダがどのように作られるのか、その生成方法と仕組みを説明しましょう。ワードサラダは、形態素解析とマルコフ連鎖という自然言語処理技術を用いて自動生成されます。形態素解析によって文章を単語レベルに分解し、マルコフ連鎖でそれらをランダムに組み合わせることで、文法的には正しいが無意味な文章を大量に生成できるのです。

この仕組みは下のようになります。

1. 大量の文章データを形態素解析にかけ、単語に分解
2. 単語同士の出現頻度や共起関係をマルコフ連鎖で学習
3. 学習結果を基に、ランダムに文章を生成
4. 生成された文章はキーワードを含むが、意味不明な内容に

このように、ワードサラダは機械的なプロセスで作られるため、人間が読んで意味が通るかどうかは全く考慮されません。

ワードサラダの例文 実際のワードサラダがどのようなものか、具体的な例文を見てみましょう。

例文1：「キーワード詰め込み型」

「ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット ダイエット」

例文2：「意味不明な文章型」

「ダイエットは健康的に痩せるためのものですが、健康的に痩せるためにはダイエットが必要で、必要なダイエットをするには健康的である必要があり、健康的であるためにはダイエットが必要なのです。つまり、ダイエットをするには健康的なダイエットが必要ということになります。」

例文3：「ワードサラダ生成ツールによる例」

「ダイエットの秘訣は、ルーレットの回転数にあります。回転数が多いほど、体重は減少し、回転数が少ないほど、体重は増加します。しかし、ルーレットを回すためには、ダイエットが必要不可欠です。ダイエットをしないと、ルーレットを回すことができず、結果的に体重が増加してしまうのです。」

例文1は、ただひたすらキーワードを繰り返すだけの稚拙なワードサラダです。例文2は、一見すると普通の文章のように見えますが、内容を吟味すると何が言いたいのか全くわかりません。例文3は、ワードサラダ生成ツールで作ったシュールな内容の文章です。いずれも、検索上位表示を狙うためだけに作られた、ユーザーにとって無価値なコンテンツだといえるでしょう。

SEO対策でワードサラダが使われた理由

過去にワードサラダがSEO対策として使われた背景と理由を詳しく説明します。

ブラックハットSEOの施策のため

当時の検索エンジンのアルゴリズムは、キーワードの出現頻度を重視する単純なものでした。そこで、検索順位を上げるために、とにかくキーワードを詰め込んだワードサラダを大量に生成し、サイトを量産するブラックハットSEO業者が横行したのです。

ページの内容が無意味であっても、狙ったキーワードでの検索順位が上がれば、アクセス数が稼げるという理屈でした。

被リンク獲得目的の大量コンテンツ生成のため

また、当時のSEOでは被リンク数が非常に重要な指標とされていました。しかし、自然に大量の被リンクを獲得するのは容易ではありません。そこで考え出されたのが、ワードサラダを使った大量コンテンツ生成によるサテライトサイト量産です。

ツールを使えば、ワードサラダの記事を自動で大量生成でき、短期間で数百、数千ものサテライトサイトを用意できました。そこからメインサイトへ被リンクを送ることで、検索順位を上昇させようとしたのです。

このように、ワードサラダは手間をかけずに大量のページを作れることから、ブラックハットSEO業者の間で広く使われるようになりました。しかし、内容のないページばかりでは、ユーザーにとっては何の価値もありません。検索エンジン側も、このような状況を問題視するようになったのです。

ワードサラダを使ってはいけない理由

現在、ワードサラダを使うことがNGとされるのはなぜでしょうか。3つの理由を解説します。

Googleのガイドラインに違反する

ワードサラダの使用は、Googleのウェブマスターガイドラインで禁じられています。特に、「検索キーワードを含んでいるが、文章としては意味をなさないテキスト」は、「自動生成されたスパムコンテンツ」の一例として明確に言及されています。

ガイドライン違反と判定されれば、Googleからペナルティを受ける可能性が高く、場合によってはインデックスから削除されてしまうリスクもあります。

低品質コンテンツとみなされる

意味不明な自動生成コンテンツは、現在の検索エンジンには低品質と判断されます。ワードサラダは、キーワードが含まれているだけで中身がないため、ユーザーにとって何の価値もありません。

検索結果の上位に表示されても、ユーザーはすぐにサイトを離脱してしまうでしょう。離脱率の高いサイトは、検索エンジンから低品質とみなされ、順位が下落する悪循環に陥ります。

ワードサラダからの被リンクがSEO評価に悪影響を与える

ワードサラダで作られた低品質なサイトから被リンクを受けても、SEOには逆効果です。なぜなら、被リンク元の品質がリンク先サイトの評価に影響を与えるからです。

大量の低品質ページから被リンクを受けることは、Googleから自サイトの信頼性を疑われる要因になります。ワードサラダサイトからの被リンクは、ペナルティのリスクこそないものの、SEO的には全く意味がないどころかマイナス効果しかないと言えるでしょう。

このように、ワードサラダの使用は検索エンジンのガイドライン違反であり、低品質コンテンツとみなされるリスクが高く、被リンクの点でもデメリットしかありません。過去のSEO手法として使われていた時期もありましたが、現在は完全にNGの部類だと認識しておく必要があります。

ユーザーファーストのコンテンツを作成する方法

では、ワードサラダに頼らずに、ユーザーにとって価値あるコンテンツを作るにはどうすれば良いのでしょうか。4つのポイントをお伝えします。

適切なキーワード選定

ユーザーが実際に検索しそうな自然なキーワードを選定することが大切です。キーワードプランナーなどのツールを活用し、検索ボリュームと競合度を考慮しながら、適切なキーワードを選びましょう。

その際、ユーザーの意図を考え、単に人気のキーワードを狙うのではなく、自社の商品やサービスに合ったキーワードを吟味することが重要です。

ユーザーの検索意図の把握

選んだキーワードについて、ユーザーが何を知りたがっているのかを理解しましょう。実際にそのキーワードで検索した結果を分析し、上位表示されているページがどのような情報を提供しているかを確認します。ユーザーのニーズに合ったコンテンツを作れるよう、検索意図を的確に捉えることが求められます。

ニーズを解消する質の高いコンテンツを作成する

ユーザーの悩みや疑問を解決できる、オリジナリティのある良質なコンテンツを作成しましょう。キーワードを自然に盛り込みつつ、論理的で読みやすい文章を心がけてください。

情報を網羅的にまとめた記事や、問題解決に役立つハウツー記事など、ユーザーにとって有益度の高いコンテンツを目指します。他サイトの受け売りではなく、自社ならではの切り口や専門的な知見を加えることで、オリジナリティを出すことも大切です。

コンテンツの専門性を高める

扱うテーマについての専門知識を深め、信頼性の高いコンテンツを作りましょう。情報の正確性を期すため、信頼できる情報源を参照することが欠かせません。社内の専門家に監修を依頼したり、データに基づいた根拠を示したりするなど、コンテンツの説得力を高める工夫も必要です。ユーザーに「このサイトは信頼できる」と思ってもらえるよう、専門性の高さをアピールすることを意識しましょう。

以上の4点を意識して、ユーザーファーストの価値あるコンテンツを作っていきましょう。

まとめ

本記事では、ワードサラダの問題点と、正しいSEO対策の方針について解説しました。 ワードサラダは、文法的には正しく見えても内容が無意味な自動生成文章であり、ペナルティのリスクが非常に高く、品質面でも全く意味をなさないことを理解しておきましょう。一方、本来のSEO対策とは、ユーザーの検索意図を捉え、キーワードを適切に選定した上で、オリジナリティのある良質なコンテンツを作ることです。

ワードサラダのようなごまかし手法ではなく、ユーザーに役立つ情報を専門性高く提供することが、長期的に検索順位を上げ、成果を出すための近道だと言えます。自社ならではの価値あるコンテンツを発信し、ユーザーとの信頼関係を築いていきましょう。