
Webサイトの検索エンジン最適化において、多くのマーケターが注目するのは検索順位やトラフィック数ですが、これらの成果を支える根幹的な要素として「インデックス数」の重要性が見過ごされがちです。インデックス数とは、検索エンジンがサイト内のページを認識し、検索結果に表示可能な状態として登録しているページの総数を指します。
本記事では、インデックス数の基本とSEOへの影響から、正確な調査・確認方法、効果的な増加施策、そして継続的な管理・活用の方法まで、実践的かつ包括的な内容をお届けします。
インデックス数とは?
インデックス数とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンがデータベースに登録しているWebサイトのページ数のことです。検索エンジンのクローラーが巡回し、収集した情報をデータベースに登録する処理を「インデックス」と呼び、その登録されたページの総数がインデックス数となります。
Webページは公開したらすぐに検索結果に表示されるわけではありません。検索エンジンによるインデックスのプロセスを経て初めて検索結果に表示されるようになるのです。つまり、どれほど優秀なコンテンツを作成しても、インデックスされなければ検索ユーザーに見つけてもらうことはできません。
SEO対策において、インデックス数は自社サイトの成長度合いや健全性を測る重要な指標となります。定期的にチェックすることで、サイト運営上の問題を早期発見できるでしょう。
インデックス数がSEO対策に与える影響
インデックス数が増加することで、検索流入の機会が大幅に拡大します。単純に考えて、インデックス数が5しかないWebサイトよりも、100あるWebサイトの方がさまざまな検索キーワードに対応でき、検索結果に表示される機会も多くなります。
実際に、ネットショッピング系のキーワードでは「Amazon」や「楽天市場」といったインデックス数が数十万から数千万ある大手ECサイトが上位表示されやすい傾向があります。これは、豊富なコンテンツ量とインデックス数の多さが検索エンジンからの評価につながっているためです。
ただし、インデックス数を増やすことが直接的に検索順位の向上に結びつくとは限りません。Google公式の発表によると、ページ数の多い大きなWebサイトを持っているだけで自動的に検索順位が上がるわけではないとされています。コンテンツの品質や被リンクの数など、他の要素も総合的に評価されることを理解しておきましょう。
インデックス数と記事数の関係
インデックス数と実際の記事数が一致しないケースは珍しくありません。たとえば、Webサイト全体で100ページあったとしても、インデックス数は95といった状況が発生することがあります。
この乖離が生じる主な理由は、以下の通りです。検索エンジンのクローラーがページの存在を発見していない場合、技術的な設定でインデックスを阻害している場合、コンテンツの品質が低くインデックスに値しないと判断された場合などが挙げられます。
近年、Googleはインデックスされる条件を厳格化しており、品質の低いページはインデックスされないことが増えています。Googleのジョン・ミュラー氏は「インデックスに問題がある場合は、他のページよりも良質なコンテンツの作成を目指すべき」と言及しており、量よりも質を重視する姿勢が明確に示されています。
インデックス数の目安
インデックス数の適正値は、サイトの規模やジャンルによって大きく異なります。個人ブログであれば数十から数百ページ、企業サイトであれば数百から数千ページ、大規模ECサイトであれば数万から数十万ページが一般的な目安となるでしょう。
重要なのは、インデックス数の絶対値よりも、サイトの成長に伴って適切に増加しているかどうかです。新しいページを公開しているにも関わらずインデックス数が増えない場合は、何らかの問題が存在する可能性があります。
競合サイトとの比較も有効な指標になります。同じ業界・ジャンルの競合サイトのインデックス数を調査し、自社サイトの立ち位置を把握することで、目標設定に役立てることができます。
インデックス数の調べ方・確認方法

インデックス数を正確に把握するためには、複数の方法を使い分けることが重要です。ここでは、代表的な3つの調査方法について詳しく解説します。
Googleサーチコンソールでインデックス数を確認する方法
Googleサーチコンソールは、自社サイトのインデックス状況を最も正確に把握できるツールです。無料で利用できるため、サイト運営者には必須のツールといえるでしょう。
インデックス数を確認する手順は以下の通りです。まず、Googleサーチコンソールにログインし、左メニューの「インデックス作成」から「ページ」をクリックします。画面上部に「登録済み」として表示される数値が、現在のインデックス数になります。
この画面では、インデックス数の時系列推移をグラフで確認することも可能です。急激な増減がある場合は、サイトに何らかの変化が生じている可能性があるため、詳細な分析が必要になります。
さらに、「ページがインデックスに登録されなかった理由」も確認できます。「クロール済み – インデックス未登録」や「検出 – インデックス未登録」といった項目から、インデックスされていないページの原因を特定し、適切な対処法を講じることができるでしょう。
「site:ドメイン名」検索で競合サイトのインデックス数を調べる方法
「site:」演算子を使用した検索は、競合サイトのインデックス数を調査する際に便利な方法です。Googleの検索窓に「site:ドメイン名」と入力すると、そのサイトでインデックスされているページの概算数が表示されます。
たとえば、「site:example.com」と検索すれば、example.comドメインのインデックス数を確認できます。検索結果の上部に「約○○件」として表示される数値が、おおよそのインデックス数となります。
ただし、この方法で得られる数値は概算値であり、正確性には限界があることを理解しておく必要があります。また、検索タイミングによって数値が変動することもあるため、参考程度に捉えることが大切です。
特定のディレクトリのインデックス数を調べたい場合は、「site:example.com/blog/」のように、より具体的なパスを指定することも可能です。競合分析や自社サイトの簡易チェックに活用してみてください。
SEOツールを活用したインデックス数の調査方法
市販のSEOツールを使用することで、より詳細なインデックス数の分析が可能になります。代表的なツールとしては、AhrefsやSEMrush、ScreamingFrogなどがあり、それぞれ独自の機能を提供しています。
これらのツールの利点は、競合サイトの詳細な分析ができることです。インデックス数だけでなく、どのようなページがインデックスされているか、どの程度の頻度で新しいページがインデックスされているかなど、より深い洞察を得ることができます。
また、複数サイトの一括調査や、過去のデータとの比較分析なども効率的に行えます。本格的なSEO対策を行う企業にとっては、投資に見合う価値があるツールといえるでしょう。
インデックス数を増やすための対策

インデックス数の増加は、適切な施策を実行することで実現できます。以下では、効果的な5つの対策について詳しく解説します。
XMLサイトマップの活用
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトの構造を効率的に伝える重要なツールです。クローラーがサイト内のページを発見しやすくなり、インデックス促進に大きく寄与します。
XMLサイトマップの作成は、専用のツールを使用することをおすすめします。「sitemap.xml Editor」などの無料ツールを使えば、技術的な知識がなくても簡単に作成できるでしょう。
作成したXMLサイトマップは、Googleサーチコンソールから送信します。左メニューの「サイトマップ」をクリックし、「新しいサイトマップの追加」欄にサイトマップのURLを入力して送信ボタンを押すだけで完了です。
定期的にサイトマップを更新し、新しいページを追加することで、継続的なインデックス促進効果が期待できます。大規模サイトでは、自動更新機能を設定することも検討してみてください。
インデックス登録のリクエスト
Googleサーチコンソールの「URL検査」機能を使用することで、特定のページのインデックス登録を手動でリクエストできます。新しいページを公開した際や、重要な更新を行った際に活用すると効果的です。
リクエストの手順は以下の通りです。Googleサーチコンソールにログインし、「URL検査」をクリックします。検索窓にインデックスさせたいページのURLを入力し、「インデックス登録をリクエスト」ボタンをクリックすれば完了です。
ただし、リクエストを送信したからといって、必ずしもすべてのページがインデックスされるわけではありません。コンテンツの品質や技術的な問題がある場合は、リクエストしてもインデックスされない可能性があることを理解しておきましょう。
重要なページや緊急性の高いページに限定して使用し、むやみに大量のリクエストを送信することは避けることが大切です。
低品質ページのnoindex設定
低品質なページや重複コンテンツは、サイト全体の評価を下げる可能性があります。このようなページにnoindexタグを設定することで、検索エンジンからのマイナス評価を回避し、質の高いページの評価向上につなげることができます。
noindexタグの設定方法は、HTMLのhead内に以下のコードを追加するだけです。
<meta name="robots" content="noindex">
noindex設定が適切な代表的なページとしては、プライバシーポリシーや利用規約、サンクスページ、検索結果ページなどが挙げられます。これらのページは必要な機能を果たしますが、検索エンジンからの流入を期待する必要がないためです。
WordPressを使用している場合は、プラグインを活用することで、より簡単にnoindex設定を行うことができます。Yoast SEOなどの人気プラグインには、ページごとのnoindex設定機能が含まれています。
高品質なコンテンツ作成によるインデックス促進
Googleは「E-E-A-T」(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)を重視してコンテンツを評価しています。これらの要素を満たす高品質なコンテンツを作成することで、インデックスされる可能性が大幅に向上します。
経験に基づいた独自の視点や、専門的な知識を活かした詳細な解説、信頼できる情報源からの引用などを盛り込むことで、他のWebサイトとは差別化されたコンテンツを作成できるでしょう。
また、ユーザーの検索意図を深く理解し、それに対する包括的な回答を提供することも重要です。単に情報を羅列するのではなく、読者の問題解決に直結する実用的な内容を心がけましょう。
定期的なコンテンツの更新や追記も効果的です。古い情報を最新の状況に合わせて修正し、新しい知見を追加することで、検索エンジンからの評価を維持・向上させることができます。
クローラビリティ改善によるインデックス促進
クローラーにとって巡回しやすいサイト構造を構築することで、新しいページの発見とインデックス化を促進できます。内部リンクの最適化は、その中でも特に重要な要素です。
関連性の高いページ同士を内部リンクで結ぶことで、クローラーが効率的にサイト内を巡回できるようになります。新しいページを公開する際は、既存の関連ページから適切な内部リンクを設置することを忘れないでください。
パンくずリストの設置も、クローラビリティ向上に寄与します。サイトの階層構造を明確に示すことで、クローラーがサイト全体の構造を理解しやすくなるでしょう。
サイトの表示速度改善も重要な要素です。ページの読み込み速度が遅いと、クローラーが効率的に巡回できず、インデックス化が遅れる可能性があります。画像の最適化やキャッシュの活用などを通じて、サイトのパフォーマンス向上に取り組みましょう。
SEOにおけるインデックス数の管理・活用方法

インデックス数は、一度確認すれば終わりではありません。継続的な管理と分析を通じて、SEO対策の効果を最大化することが重要です。
インデックス数を定期的にチェックする
インデックス数の定期的な監視は、サイトの健全性を把握する上で欠かせません。週次または月次でのチェックを習慣化し、データの推移を記録しておくことをおすすめします。
チェック項目としては、総インデックス数の変化、新規インデックス数、インデックス削除数などが挙げられます。これらのデータをスプレッドシートなどで管理することで、長期的なトレンドを把握できるでしょう。
急激な変化が観察された場合は、その原因を詳しく調査する必要があります。サイトの大幅な改修、大量のページ追加・削除、検索エンジンのアルゴリズム変更などが影響している可能性があります。
異常値を発見した際は、Googleサーチコンソールの詳細データを確認し、具体的な原因特定に努めることが大切です。早期発見・早期対応により、SEO上の問題を最小限に抑えることができます。
流入数との対比を確認する
インデックス数と実際の検索流入数を比較分析することで、コンテンツの質やSEO対策の効果を客観的に評価できます。インデックス数が多いにも関わらず流入数が少ない場合は、コンテンツの改善が必要かもしれません。
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールのデータを組み合わせることで、より詳細な分析が可能になります。どのページが流入を生み出しているか、どのキーワードで流入しているかを把握し、成功パターンを他のページにも応用しましょう。
また、インデックス数に対する流入率(CTR)を算出することで、サイト全体のパフォーマンスを数値化できます。業界平均や競合サイトとの比較を通じて、改善の余地があるかどうかを判断してください。
季節性や外部要因による変動も考慮に入れることが重要です。特定の時期に流入が増減するパターンがある場合は、それを踏まえた分析を行いましょう。
記事制作進行による増減を確認する
新しい記事の公開やページの削除に伴うインデックス数の変動を追跡することで、コンテンツ制作の効果を定量的に測定できます。記事公開後のインデックス化スピードを把握することで、今後のコンテンツ戦略に活かすことができるでしょう。
記事制作のペースとインデックス数の増加ペースを比較することで、クローラーの巡回頻度やサイトの評価状況を間接的に把握できます。インデックス化が遅い場合は、前述したインデックス促進施策の実施を検討してください。
質の低いページを削除した際のインデックス数減少も、重要な指標となります。削除後にサイト全体の検索パフォーマンスが向上した場合は、適切な判断だったと評価できるでしょう。
コンテンツの更新頻度とインデックス数の関係も分析してみてください。定期的な更新を行っているページは、クローラーの巡回頻度が高くなり、新しい情報が迅速にインデックスされる傾向があります。
まとめ
インデックス数は、SEO対策における重要な指標の一つですが、単純に数を増やせば良いというものではありません。質の高いコンテンツを継続的に作成し、適切な技術的対策を講じることで、検索エンジンからの評価を高めることが重要です。
Googleサーチコンソールでの定期的な監視、XMLサイトマップの活用、クローラビリティの改善など、今回紹介した対策を総合的に実施することで、効果的なインデックス数の増加を実現できるでしょう。
インデックス数の適切な管理を通じて、長期的なSEO成果の向上を目指してください。数値の変動に一喜一憂するのではなく、ユーザーにとって価値のあるコンテンツ作成に集中することが、最終的な成功につながります。